dag-out ダッグアウト

スタジアムの裏側

ボールを正面で取ること。息子は背番号を初めて貰った。

日曜日、少年野球の練習試合だった。

息子は朝から、いまひとつ野球に行きたいという気持ちに欠けていた。

土曜日が雨で、少年野球が中止となってしまっていた。土曜日は終日練習という日程だったのだけど、そこではヤル気に満ち溢れていた。

 

この、土曜日と日曜日の温度差は何なのか、理由を聞いてみた。

試合だと、ベンチでじっと見ているだけなのがつまらない、とのこと。

これから大きな大会を控えているので、チームとしては練習試合をひとつでもこなしたいところ。このタイミングは低学年の育成よりも、重要だというのは致し方ない。

しかし、息子の言い分も分からなくはない。

僕があれこれ言うとこじれる危険性もある話題だったところ、妻から息子へ語りかけがあった。

「自分が試合に出られるくらいの力をつけたら良いじゃない」ということだった。

まさに正論だ。

息子としては納得できるものでもないのだけど、行きたいか行きたくないかでいえば「行きたい」ということだった。

実際、アップから試合までの間は全体練習があって、試合が始まると低学年は外野の端っこで練習はし放題だった。

息子だけでなく、低学年の子供たちとしては練習が好きなようにできて満足だったのだろう。

 

野球の基本動作で、腰を落としてボールを追う、取る、という動作がある。

普段の生活ではやらない動きなので、使わない筋肉を使うことになる。

野球を始めた頃は、この動作がすぐにはできない。

そして、ボールを正面で取るというのも、できるようで出来ないことが多い。

左右にボールが振られると、体を正面に置いて取るという事をする子供は少ないという事に気づいた。

練習では正面で簡単にボールを捌く。しかし、なぜか打球を正面で取ろうとしないから、練習ではやっていない難しい取り方をして、後ろへ晒す。

正面で取るということ、ボールは大して痛くないから、怖がることは無いということ、そして、それができれば試合に出ることは近いという事。

低学年のうちにそれに気づいてもらうことが、上達への近道だと気付かせるのが面白い。

(走塁の楽しさに気付かせるのも、もうひとつの楽しみなのだけど)

 

息子が、チーム支給のユニフォームを貰った。

背番号は、19だった。

19といえば。

伝説の三冠王野村克也氏。

甲斐キャノン、甲斐拓也選手。

雑草魂、上原浩治氏。

少し前まで、巨人の菅野智之選手。

阪神の逸材、藤浪晋太郎選手。

 

ヤバい。

良い番号を頂きました。

 

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息子は、初めて打球を体で止めた。

軟式ボールだから、大して痛くなかったとのこと。

ボールを避ける子は、ある程度で成長が止まる。そこは自分の意識で克服していく所だから、頑張って行って欲しい。

 

股を開いて、腰を下げる。

腰を下げてボールを取る動作を楽しんで教えられたら、多分成長は飛躍的になると踏んでいる。

 

なんだか、嬉しくて幸せだ。