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スタジアムの裏側

息子の誕生日。彼に僕は救われた。

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6月9日は息子の誕生日だった。

 

産まれたあの日を思いながら、回顧する。

 

その日は朝6時くらいに妻が破水した。

 

妻は実家に里帰りしていたため、僕は勤務地にいた。

 

予定日よりだいぶ早かったので、前日は呑気に飲みに行っていたことをなんとなく覚えている。

それは今更、家族の前では言わないけど。

 

前の日が飲み会で「まだ産まれないから大丈夫」なんて呑気なこと言ってたことを、結構ハッキリ覚えている。

 

父親が重い病気を患い、実家で入院していた。

そして、妻は里帰りしていた。

 

僕は、一人暮らしを満喫して、週末に飲んでいた。

 

今思うと、あんまり良くはないよね。

 

お義父さんから連絡をもらい、まだ産まれないから昼飯でも買ってゆっくりおいで、なんて言われた。

しかし、病院に行ったらとんとん拍子で進んでいって、あれよあれよと産まれた。

凄い安産だったらしい。

産んでくれた妻にとっては、とんとん拍子とはいえ大変だったと思う。

なにせ、出産だから。男としては側にいたけど、想像できないツラさだったと思う。

 

ありがとう。感謝してます。

 

そして子供産まれたの見届けて、実家に飛んで行って父のお見舞い。

 

産まれた報告は先に電話で母に伝えていた。

父は気丈に笑ってくれたけど、僕の気持ちは複雑だった。

 

息子には、父の一字をもらって名付けた。

 

字画も良くて、色んな思いを集約して、名前に込めた。だから、この子は凄い名前を持っている。

不思議な力を持っているし、強運だと確信している。

 

この子が産まれた数年後。

彼が僕の運命を変えて、僕を生かしてくれた。

 

運命とは不思議だ。

 

僕は、終わったであろう人生を生かしてもらっている。

一度死んだと思った人間は強い。

欲を張らず、おごることなく、謙虚に。

 

命を活かして行きたいと気持ちが引き締まった。