僕はゲームが好きだ。
テレビゲームもそうだけど、将棋、オセロ、ウノ、トランプ。
囲碁は身近に誰もできる人がいないけど、本とゲームで何とか覚えた。
将棋は小さい頃からそこそこ打っていたのだけど、大学時代に転機があった。
バイト先の店主が将棋好きで、平日のヒマな時間に打っていたのだ。
店長、将棋がかなり強くて、結局一度も勝てなかった。
(指導将棋みたいな形で勝たせてくれた事は、確かあった。)
強い人から(半強制的に)将棋を学ぶこととなり、自分の棋力が上がった。
結果、大学含め知り合いと将棋を打っても、負けることが無くなってしまった。
テニス部の遠征中とか、時間が空いた時に将棋やオセロをやるんです。
最早、無双状態。
そんなこともあり、息子が産まれた時にふと思ったのです。
「この子を強くしちゃえば、対戦相手になるじゃないか」と。
そこから、私の計画は始まりました。
まずは、どうぶつしょうぎ。
駒が4個しかない、入門編です。
幼稚園から始めて、ワザと負けたりしながらご機嫌取り。
次に、ごろごろどうぶつしょうぎ。
飛車角、桂馬香車抜きの中間将棋。
これをこちらは金抜きで慣らしながら、待った連発の嵐で慣らしていきました。
そして、満を辞してどらえもんの将棋。
フル装備の駒数。
飛車角金銀抜きという、ハンデにも程があるルールでも勝ってしまうほどの実力差で、何度も泣いていた息子。
何度負けただろうか。何度待ったを聞いてあげて、それでも負けて泣いていただろうか。
ゆるくではあるけど、金銀が入り、角が入り、着々と力をつけた息子。
そして、今日。
互戦で、息子に負ける日が来てしまった。
息子、10歳。
待ったは2回あったけど、負けるとはね。
こちらの棋力が下がっているのは、やっていてすごく感じるのだけれども。
まさか負けるとはね。
何度も負けて泣きながら、挫けても立ち上がり、買ってあげた将棋の本を読んで棋力を上げていた。
そしてついに、父を倒す日が来たのだ。
そう。
僕の計画は、10年で達成されたのです。
自分の対戦相手になる人材が、まさに目の前に現れました。
カンを取り戻して、次は息子を倒すのです。
凄いよ、息子よ。
父は悔しいけど嬉しいぞ。